ジョー・キーリーが Djo として語るアナログとデジタルの境界線 | Interviews

『Netflix(ネットフリックス)』のメガヒットシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のスティーブ役として世界的に名を馳せている一方で、音楽シーンでも本格派アーティストとして絶大な支持を集める ジョー・キーリー (Joe Keery)。 彼の音楽的キャリアは、シカゴの実力派サイケデリック・ロックバンド ポスト アニマル(Post Animal)の創設メンバーとしてスタートした。その傍らで、2019年よりソロプロジェクトとなるDjo(ジョー)を本格的に始動。ファース…

『Netflix(ネットフリックス)』のメガヒットシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のスティーブ役として世界的に名を馳せている一方で、音楽シーンでも本格派アーティストとして絶大な支持を集めるジョー・キーリー(Joe Keery)。
彼の音楽的キャリアは、シカゴの実力派サイケデリック・ロックバンド ポスト アニマル(Post Animal)の創設メンバーとしてスタートした。その傍らで、2019年よりソロプロジェクトとなるDjo(ジョー)を本格的に始動。ファーストアルバム『Twenty Twenty』で魅せたDIYなベッドルーム・ポップ/サイケデリック・サウンドは、各国のメディアからもクオリティの高さが評価された。
そんな彼の音楽キャリアにおいて決定的な転換点となったのが、2022年のセカンドアルバム『Decide』に収録された“End of Beginning”だ。2024年、同曲が『TikTok(ティックトック)』を起点に瞬く間に世界中でバイラルヒットを記録。“Billboard Hot 100”や全英チャートの上位を席巻し、俳優としての知名度に頼ることなく、純粋な音楽性の高さでアーティストとしての実力を証明してみせた。
この度、『Hypebeast Japan』は5月初旬に来日した彼にミニインタビューを敢行。彼の音楽性から、表現者としての境界線、そして自身のスタイルを形作るヴィンテージへの深い愛まで。日本の温泉やフードカルチャーの体験など等身大のプライベートなエピソードを交えながら、そのクリエイティビティの核心に迫った。
あなたの音楽からは1970〜1980年代のサイケデリック・ポップやシンス・ポップの影響が感じられます。単なるノスタルジーに留まらず、モダンに昇華されているからこそ若い世代に響いていると思いますが、ご自身ではどう捉えていますか?
Djo:素晴らしい質問ですね。その通りで、僕自身は1970年代半ばから後半、そして1980年代にかけての音楽やバンドには本当に強い影響を受けています。
今回のアルバム『Decide』を書き、レコーディングしていた時は、ニック・ドレイクやスーパートランプを大量に聴き込んでいました。まだ宅録が普及して自宅で誰でも音楽を作れるようになる前、いわゆるスタジオレコーディングの黄金期に素晴らしい作品を残したバンドたちです。
運良く、今回はニューヨークにある伝説的なスタジオ、エレクトリック・レディでレコーディングすることができました。当時のバンドが使っていた本物の機材や環境をそのまま再現して、彼らのスタイルを模倣したかったんです。「彼らから受けた影響を自分たちというフィルターを通して表現すれば、結果的に今の時代に合ったモダンな解釈が加わるはずだ」という希望を持って臨みました。このすべてのプロセスが学びであり、非常に刺激的な経験でしたね。
一方で、そのアナログな質感を持つ楽曲が、TikTokという極めてモダンなデジタルテクノロジーを通じてバイラルし、多くの人に届きました。この“アナログな音楽”と“デジタルな環境”という二面性をどう考えていますか?
そのふたつが交わる場所こそが未知の領域であり、僕たちが挑戦していくべき未来だと思います。完全に過去に引きこまれて、すべてがアナログだった時代をただ恋しがるような古典主義者にはなりたくありません。僕たちはすでに、そうしたデジタルが当たり前の世界に生きていますから。
重要なのは、「過去の素晴らしい要素を、未来に向けてどう再構築できるか」ということ。そこには、人々が心地よさや親しみを感じる何かがきっと含まれているはずです。音楽のリリース方法や広がり方は昔と全く違いますが、そこはできる限りポジティブに受け入れるようにしています。アーティストとして自分自身に誠実でいられる形で、この新しい仕組みをどう活用できるか。リスナーが新しい音楽を発見するとき、その誠実さは必ず伝わると信じています。
俳優としての“ジョー・キーリー”と、ミュージシャンとしての“Djo”。世間に対する自分自身の見せ方に違いはありますか?
多少の違いはありますね。俳優を始めたばかりのキャリア初期は、言わば雇われの身のようなものです。プロジェクトに呼ばれ、運良くチャンスをいただけたら、その作品の一部として全力を尽くす。
一方で音楽の最大の相違点は、「自分自身がゼロから生み出し、創造しているものである」という点です。ただ、ふたつの活動の間に明確な壁を作っているわけではありません。どちらも異なるアプローチで自分をインスパイアし、満たしてくれるものだからです。
とはいえ、あえて境界線を設定することが、表現の上でプラスに働くかもしれないなとも考えています。そのバランスについては、今も自分の中でずっと模索し続けているテーマですね。
ファッションへのこだわりについても教えてください。
ファッションは本当に大好きです。古着が好きなのですが、それは自分の音楽の好みともシンクロしているかもしれません。天然の生地や、しっかりと仕立てられた構造のある服に惹かれます。一時期は過去のスタイルのように思われていましたが、最近またストリートでも復活してきているように感じますね。
結局はすべてバランス。さまざまな要素が少しずつ散りばめられたアウトフィットが理想です。ただ、特定のものに執着してしまう癖があって、特に帽子は大好物。常に新しい、変わった帽子を探しています。
日中、もし着ている服がしっくりこないと、気分が落ち込んでしまうんです。自分の服装にワクワクできないとダメで、「よし着替えよう!」と何回か着替えることもあります。そうすると気分もフレッシュになりますから。
ファッションにおいて、インスピレーション源にしているキャラクターや人物はいますか?
本当に色々なところから影響を受けるので常に変わりますが、強いて挙げるならハリソン・フォードですね。彼のスタイルは本当に素晴らしい。クールでエフォートレス、そしてタイムレス。僕の中に、常にそういうスタイルを目指していますね。
その一方で、ちょっと型破りな風変わりなアイテムや、突飛な帽子をかぶりたくなる一面もあります。
現在の音楽シーンで注目しているアーティストはいますか?
たくさんいますよ! 最新アルバムをリリースして以来、他のアーティストとコラボレーションする機会が増えたのですが、それが本当に充実しています。普段は完成された楽曲しか聴けませんが、制作過程でボツになったテイクにこそ面白い要素が詰まっていたり、自分とは全く異なるアプローチを知ることができたりして刺激的です。
最近はOKLOUをよく聴いています。彼女が作り出すサウンドスケープは本当にクール。それから、先日のロラパルーザ・サウスアメリカで観たターンスタイルのステージ。音源のパワフルさをライブで何倍にも増幅させる姿には圧倒されました。
あと、ニューヨークで観たヘイリー・ウィリアムズのショーも素晴らしかった。そのオープニングアクトを務めていたWater From Your Eyesというバンドもすごく格好良くて、楽屋で会う機会もあったのですがすっかりファンになりました。それから、ネイトのサイドプロジェクトであるLorelaiも素晴らしい楽曲をたくさん作っています。今は音楽にとって非常にエキサイティングな時代だと思います。

今回が2回目の来日とのことですが、日本で楽しみにしていることは?
なんといっても温泉です。お湯に浸かるのが大好きで、以前は友人と一緒に草津温泉に行きました。ただ、その時に今つけている指輪をしたまま温泉に入ってしまって、少し変色しちゃったのでお手入れしなきゃいけないんですけどね。日本の温泉文化は本当にリラックスできます。
それから、フードカルチャーも最高ですね。とにかく何を食べても美味しいし、細部へのこだわりや職人技、 完成度の高さにとても刺激を受けます。アメリカとは違って、時間をかけてゆっくり食事を楽しむスタイルも素晴らしい。
あとは、ショッピングも外せません。今、ヴィンテージの楽器や古い音楽機材が手に入る面白いショップを探しているところなんです。もしおすすめの場所を知っている人がいたら、ぜひ教えてほしいですね。ありがとうございました!
Djo『Decide ディサイド 国内盤』

発売日:6月3日(水)
価格:2,700円(税込)
収録曲
1. Uglyfisherman/アグリーフィッシャーマン *ボーナストラック
2. Runner/ランナー
3. Gloom/グルーム
4. Half Life/ハーフ・ライフ
5. Fool/フール
6. On and On/オン・アンド・オン
7. End of Beginning/エンド・オブ・ビギニング
8. I Want Your Video/アイ・ウォント・ユア・ビデオ
9. Climax/クライマックス
10. Change/チェンジ
11. Is That All It Takes/イズ・ザット・オール・イット・テイクス
12. Go For It/ゴー・フォー・イット
13. Figure You Out/フィギュア・ユー・アウト
14. Slither/スリザー
15. Listen/リッスン *ボーナストラック
Blue-spec2、日本語入り独自アートワーク仕様、解説・歌詞・対訳つき
配信はこちら
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Source: Hypebeast Japan — Read original